シャンソンの日 (記念日 12月29日)

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シャンソンの日とは

「シャンソンの日」は、1990年(平成2年)のこの日に、東京・銀座にあったシャンソン喫茶店の老舗「銀巴里」(ぎんパリ)が閉店したことを記念しています。この日は、日本におけるシャンソン文化の振興と、その魅力を再認識するための大切な記念日となっています。

シャンソン喫茶店「銀巴里」の歴史

1951年(昭和26年)に日本初のシャンソン喫茶店として開店した「銀巴里」は、戦後のシャンソンブームを支え、多くの人々に愛された場所でした。シャンソンはフランス語で「歌」を意味し、日本では特に情感豊かなフランスのポピュラー音楽を指します。「銀巴里」では、生のシャンソンを映画を見る程度の料金で楽しむことができ、消費税も取らず、コーヒー付き1800円というリーズナブルな価格で提供していました。

しかし、地価高騰という時代の波には勝てず、閉店に至ったのです。現在、その跡地には石碑が立ち、かつての「銀巴里」を偲ぶことができます。

シャンソン文化の担い手

「銀巴里」の最後のショーは、美輪明宏(みわ あきひろ)が行いました。美輪明宏は、シャンソン歌手としてだけでなく、俳優、作家としても幅広い活動を展開し、日本のシャンソン文化に多大な影響を与えています。また、野坂昭如やなかにし礼といった著名な作家が、「銀巴里」を題材にした音楽作品を残しており、その文化的価値は計り知れません。

シャンソンの日の意義と現代への影響

「シャンソンの日」を通して、シャンソンの歴史や文化を振り返り、その魅力を次世代に伝えることが重要です。シャンソンは、情緒豊かなメロディと詩的な歌詞が特徴で、人々の心に深く響く芸術形態です。今日でも多くのシャンソン愛好家が存在し、ライブやイベントが各地で開催されています。

シャンソンを通じて、日本とフランスの文化交流も深まり、国際的な理解と友好の促進に寄与しています。この記念日は、そうした文化的な架け橋となり、未来へとシャンソンの素晴らしさを伝えていくための一助となるでしょう。