株式投資の指標「PER」とは?その計算方法と活用のポイント
ベストカレンダー編集部
2024年04月8日 22時03分
PER(株価収益率)の理解とその活用
投資の世界においてPER(Price Earnings Ratio)、すなわち株価収益率は株式投資の判断材料として不可欠な指標の一つです。PERは、株価が企業の利益(EPS:1株当たり純利益)に対してどの程度の評価を受けているかを示すもので、株価÷EPSによって計算されます。
たとえば、企業の株価が1,000円でEPSが100円の場合、PERは1,000円÷100円=10倍となります。これは理論上、現在の株価で株を買った場合、10年でその企業の利益だけで投資額を回収できることを意味します。株価が2,000円に上昇した場合、PERは2,000円÷100円=20倍となり、投資額の回収にはより長い期間が必要になることを示します。
- PERが高い:株価が利益に比べて割高
- PERが低い:株価が利益に比べて割安
しかし、PERは単純な数値以上の意味を持っています。業種によって平均的なPERが異なるため、同業種間での比較が有効です。また、将来の成長が期待される企業は、現在の利益が小さくても高いPERを持つことがあります。逆に、将来の成長が見込めない場合、PERが低くなることもあります。したがって、PERを見る際には、その背景を理解することが重要です。
PERの活用方法としては、同業他社との比較や過去の実績との比較が挙げられます。これにより、市場の中で割安な株を見つけることができるかもしれません。しかし、PERのみに依存することなく、他の指標や市場環境、企業の将来性なども総合的に評価することが肝要です。
さらに、予想PERについては、業績の修正があると数値が変わるため注意が必要です。投資家は、PERを活用する際には、リスク管理と手数料等の費用も考慮する必要があります。三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社によると、有価証券投資にはリスクが伴うため、これらの点に留意することが推奨されています。
投資判断にPERを用いる際の具体的なケースを見てみましょう。ある企業のPERが過去に8倍から12倍の範囲で推移していたとします。もし現在のPERが15倍に上昇していれば、市場に対して割高になっている可能性があります。一方で、PERが6倍まで下落していれば、割安と判断されるかもしれません。日本証券業協会の解説によると、PERは投資資金を回収する期間を示す指標であり、企業の過去のPERや同業他社のPERと比較することで、より詳細な投資判断が可能になります。
最終的に、PERはあくまで一つの指標であり、投資判断には複数の要素を総合的に考慮する必要があります。市場の動向、業績予想、企業の戦略、マクロ経済環境など、多角的な分析が求められるのです。