2024年10月24日、出光興産とサントリーがPETボトル再資源化実験開始
ベストカレンダー編集部
2024年10月24日 17:06
ケミカルリサイクル実験
開催日:10月24日
出光興産とサントリーホールディングスによる使用済みPETボトルの再資源化実証実験
2024年10月24日、出光興産株式会社(以下「出光興産」)とサントリーホールディングス株式会社(以下「サントリー」)は、使用済みPETボトルのキャップやラベルの再資源化に向けた新たな取り組みを開始しました。具体的には、キャップのケミカルリサイクル実証実験を実施し、今後のリサイクル技術の発展に寄与することを目指しています。
この実証実験では、サントリーが提供した使用済みPETボトルのキャップを原料とし、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン株式会社が油化ケミカルリサイクル技術を用いてCR油(ケミカルリサイクル油)を生産しました。このCR油は、石油化学製品や燃料油の原料としての有用性が確認されています。
ケミカルリサイクル技術の概要
ケミカルリサイクル技術とは、使用済みプラスチックやプラスチック端材を油化し、生産した生成油を原料とする再資源化の手法です。この方法により、廃棄物として扱われるプラスチックを有価物として再利用することが可能となります。
具体的には、以下のようなプロセスが含まれます:
- 収集:使用済みPETボトルのキャップを集める。
- 油化:集めたキャップを油化し、CR油を生産。
- 再利用:生産したCR油を石油化学製品や燃料油の原料として利用。
このプロセスは、プラスチックのリサイクルにおいて革新的なアプローチであり、環境保護と資源循環の観点から重要な役割を果たします。
今後の展望と取り組み
出光興産は、今後使用済みPETボトルのキャップやラベル由来のCR油を原料として、「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」の生産を検討しています。これにより、より持続可能な製品の開発が期待されます。
一方、サントリーは「リニューアブル化学品」から製造されるプラスチック容器の実用性を確認するとともに、キャップやラベルへの水平リサイクルを含めた容器・包装全般の最適な再資源化の形と可能性を探索します。また、両社は再資源化工程のサプライチェーンの構築にも取り組む予定です。
企業の社会的責任と持続可能な未来
出光興産は、2023年4月に「ケミカルリサイクル・ジャパン」を設立し、使用済みプラスチックを油化してCR油を生産することを目指しています。近年、海洋プラスチックごみ問題や気候変動問題が深刻化している中、プラスチックの資源循環を促進することは社会的なニーズが高まっています。
出光興産は、長年の経験を活かし、プラスチックのリサイクルに責任を持って取り組むことを宣言しています。燃料油や化学品の製造で培った知見を活かし、プラスチックを原料である石油に戻す革新的なリサイクル技術を通じて、社会的ニーズに応えていく考えです。
サントリーは、創業以来、持続可能な社会の実現を目指しており、特にPETボトルに関しては2011年に協栄産業株式会社と共同で水平リサイクル技術を確立しました。これにより、100を超える自治体や40を超える事業会社と協定を締結し、ボトルtoボトルの水平リサイクルを推進しています。
まとめ
出光興産とサントリーの共同取り組みは、使用済みPETボトルのキャップやラベルの再資源化に向けた重要なステップです。両社は、プラスチックリサイクルの新たな可能性を探求することで、カーボンニュートラルおよび循環型社会の実現に向けた努力を続けていきます。
以下に、今回の取り組みの主要なポイントをまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
実施日 | 2024年10月24日 |
参加企業 | 出光興産、サントリーホールディングス |
実施内容 | 使用済みPETボトルのキャップのケミカルリサイクル実証実験 |
技術 | 油化ケミカルリサイクル技術 |
生産物 | CR油(ケミカルリサイクル油) |
目指す方向性 | リニューアブル化学品、リニューアブル燃料油の生産 |
社会的意義 | プラスチックの資源循環の促進 |
この取り組みは、持続可能な未来を築くための重要な一歩であり、今後の展開が期待されます。