青木彬の新刊『幻肢痛日記』が2024年10月25日発売、幻肢痛の体験記
ベストカレンダー編集部
2024年10月28日 17:31
幻肢痛日記発売
開催日:10月25日
新刊『幻肢痛日記』のご紹介
株式会社河出書房新社は、インディペンデント・キュレーターの青木彬氏が自身の幻肢痛体験を記録した新刊『幻肢痛日記 無くなった右足と不確かさを生きる』を2024年10月25日に発売することを発表しました。本書は、少しユニークな障害受容の話として、また人が持つ創造力を考えさせる内容となっています。
青木氏は、12歳で骨肉腫を患い、30歳の時に人工関節を入れた右足を切断することになりました。彼は、切断後に経験した幻肢痛という不思議な現象を通じて、「無いものの存在」や「不確かさ」を肯定することの重要性について考察しています。
幻肢痛とは何か
幻肢痛(げんしつう)とは、手や足を切断した後に、失ったはずの手足が存在するように感じ、その幻肢が痛むという現象です。これは、脳に存在する身体の地図が書き換わることが要因とされており、手や足を失った人の約50~80%が経験すると言われています。
青木氏は、病室で初めて幻肢痛を感じた際、「ここに右足があったんだよ」という声が聞こえたと述べています。この体験を通じて、彼は「無いものの存在」に耳を傾けることの重要性を強調しています。
『幻肢痛日記』の内容
本書は、青木氏が幻肢痛を体験した4年間の記録を克明に描写しています。彼は、闘病記や当事者研究の枠を超え、自身の痛みを起点に視界の外に広がる世界を見渡し、思索を巡らせています。
具体的には、以下のような内容が含まれています:
- 幻肢痛の当事者研究
- 幻肢という「不確かさ」について
- 義足の存在とその役割
- 身体が無くなる可能性についての考察
- わからないものをわからないまま受け入れること
これらのテーマを通じて、青木氏は読者にとっての「存在」や「痛み」について新たな視点を提供します。
推薦コメント
本書には、医学書院の編集者である白石正明氏からの推薦コメントが寄せられています。彼は、幻肢痛を通じて「ない」と「ある」の間に広がる荒野を探検することの重要性を述べています。彼のコメントは、本書が持つ深い意味を示すものとなっています。
刊行記念イベントの開催
『幻肢痛日記』の刊行を記念して、青木彬氏と白石正明氏によるイベントが開催されます。以下の詳細をご確認ください:
- イベント名:青木彬×白石正明「無くなった右足から考えたケアとアートのこと」
- 日時:2024年11月18日(月)19:30~21:30(19:00開場)
- 会場:本屋B&B(世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 2F)+オンライン配信
- イベント詳細URL:https://bookandbeer.com/event/bb241118a/
このイベントでは、本書のテーマであるケアやアートについての深い議論が交わされる予定です。
著者の紹介
青木彬氏は、インディペンデント・キュレーターとして活動しており、一般社団法人「藝と」のディレクターを務めています。アートを「よりよく生きるための術」と捉え、様々なアートプロジェクトを企画しています。また、社会福祉とアートの接点を模索しながら、地域福祉に関する調査や実践を重ねています。
青木氏の公式サイトやSNSもぜひご覧ください:
書誌情報
以下は『幻肢痛日記』の書誌情報です:
書名 | 幻肢痛日記 |
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著者 | 青木彬 |
仕様 | 四六判/並製/200ページ |
発売日 | 2024年10月25日 |
税込定価 | 2,090円(本体1,900円) |
ISBN | 978-4-309-23162-4 |
装丁 | マツダオフィス |
書誌URL | https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309231624/ |
『幻肢痛日記』は、青木氏の独自の視点から描かれた貴重な記録であり、障害受容や創造力について深く考えさせられる一冊です。読者は、彼の体験を通じて新たな視点を得ることができるでしょう。
参考リンク: