神戸市とNECが生成AI「cotomi」で業務改革実証を2025年1月22日より開始

生成AI実証開始

開催期間:1月22日〜3月31日

生成AI実証開始
神戸市とNECが始めた実証実験って何するの?
神戸市とNECは生成AIを使って庁内業務の効率化を検証する実証実験を始め、特に問い合わせ対応や文書校正に注力しています。
生成AIのcotomiって何が特別なの?
cotomiはNECが開発した生成AIで、特に自治体業務に適したシステムを提供し、業務効率化と信頼性向上を目指しています。

神戸市とNECによる生成AIを活用した業務改革の実証開始

2025年1月22日、神戸市(市長:久元 喜造)と日本電気株式会社(NEC)は、自治体業務における生成AIの活用に向けての協定書を締結し、神戸市役所での活用検証を開始しました。この取り組みは、国産生成AIの有効性を検証することを目的としており、特に神戸市の保有するデータを活用したシステム構成が特徴です。検証期間は2025年1月から3月末までの予定です。

神戸市とNECにて、生成AIを活用した業務改革の実証を開始 画像 2

生成AIの活用とその目的

神戸市では、全国初となる包括的なAIに関する条例「神戸市におけるAIの活用等に関する条例」を制定し、AIの安全な活用のためのルール整備を行っています。この条例のもと、庁内業務におけるAIの積極的な利活用を推進し、市民サービスの向上を目指しています。

生成AIには「ハルシネーション」と呼ばれる問題が存在し、正確性や信頼性に課題があります。特に専門性が高い業務においては、その活用が難しいとされています。これらの課題を解決するため、NECは専門的な業務に適応させた生成AIシステムを構築し、ノウハウを蓄積してきました。

神戸市とNECにて、生成AIを活用した業務改革の実証を開始 画像 3

NECの生成AI「cotomi」について

本実証では、NECが開発した生成AI「cotomi(コトミ)」を中心に、一般的に普及している生成AIも活用します。「cotomi」は、ことばによって未来を示し、「こと」が「みのる」ようにという想いが込められています。この生成AIは、顧客と共に歩むパートナーとしての役割を果たすことを目指しています。

さらに、AIエージェントと呼ばれるプログラムを用いて、AIが自律的に判断を行いながらタスクを遂行するシステムも導入されます。これにより、業務の効率化を図ることが期待されています。

検証内容と対象業務

本実証では、以下の業務を対象として、具体的な検証内容が設定されています。

対象業務 実施内容
庁内問い合わせ対応業務 全職員が関係する制度やシステム操作など、庁内からの問い合わせに対応するRAGを用いたアプリケーションを構築し、国産生成AIの有効性やハルシネーション対策機能の有用性を検証。
文書校正業務 行政文書や広報文の作成時に校正作業を補助するAIエージェントを用いたプログラムを開発し、文書作成規則に基づく校正作業での生成AIの有効性を検証。

これらの検証を通じて、神戸市は庁内業務におけるハルシネーション対策機能を備えた国産生成AIの有効性を確認し、行政事務の質の向上と効率化を図ることを目指しています。

今後の展望とNECの取り組み

NECは、本実証を基に自治体向けの生成AIを活用したソリューションの実用化を目指しています。また、価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」を活用し、業種横断の知見と最先端のテクノロジーを駆使してビジネスモデルの変革を図ります。このモデルは、社会課題と顧客の経営課題を解決に導くことを目指しています。

「BluStellar」は、実績に基づいた先進的な知見とNECの長年の開発・運用で得られた技術を活用し、顧客を未来へ導く価値創造のためのモデルです。

まとめ

神戸市とNECによる生成AIを活用した業務改革の実証は、自治体業務におけるAIの実用化に向けた重要なステップとなります。特に、ハルシネーション対策機能を備えた国産生成AIの有効性を検証することで、行政事務の質の向上と効率化が期待されています。

以下に、今回の取り組みの主要なポイントをまとめます。

項目 詳細
実施機関 神戸市、NEC
検証期間 2025年1月~3月末
対象業務 庁内問い合わせ対応業務、文書校正業務
使用するAI NECの「cotomi」、AIエージェント
目的 業務効率化、行政事務の質向上

このように、神戸市とNECの取り組みは、自治体業務における生成AIの導入とその効果を実証する重要な試みであり、今後の展開が注目されます。

参考リンク: