三浦光雄の撮影技術を堪能!特別上映企画が4月8日より開催
ベストカレンダー編集部
2025年3月14日 16:12
三浦光雄上映企画
開催期間:4月8日〜5月11日

上映企画「撮影監督 三浦光雄」の開催について
国立映画アーカイブでは、2025年4月8日(火)から5月11日(日)までの期間、特別上映企画「撮影監督 三浦光雄」を開催します。三浦光雄(1902-1956)は、映画撮影において独自の技術と美学を確立し、日本映画の発展に寄与した重要な人物です。彼の作品は、光と影の交錯を巧みに捉えた豊かな階調と美しい構図が特徴であり、戦前から戦後にかけて多くの名作を生み出しました。
本企画では、三浦光雄のキャリアを振り返りながら、彼が手がけた33作品(31プログラム)を上映し、その技術的成果を探求します。特に、三浦光雄の撮影技術がどのように日本映画に影響を与えたのかを理解するための貴重な機会となるでしょう。

三浦光雄の業績とその影響
三浦光雄は1925年に映画界に入った後、数々の名作を手がけてきました。彼の撮影技術は、特に陰影の美を追求したものであり、その作品は日本映画の美学を高める要因となりました。三浦は、松竹の五所平之助監督と組むことで、画面構成において新しい風を吹き込みました。
また、1928年にはハリウッドに遊学し、そこで得た経験を活かして日本映画にリアリスティックな表現を取り入れました。彼は不二映画、新興キネマ、日活などを経て、東宝に転籍し、名監督たちと共に100作品以上の撮影を手がけました。

主な作品とその技術的成果
本特集では、以下のような三浦光雄の主要作品を上映します。これにより、彼の技術的成果と作品の美学を深く理解することができます。
- 『愛よ人類と共にあれ』(1931、島津保次郎)
- 『腰辨頑張れ』(1931、成瀬巳喜男)
- 『嬉しい娘』(1934、千葉泰樹)
- 『藤十郎の戀』(1938、衣笠貞之助)
- 『猫と圧造と二人のをんな』(1956、豊田四郎)
これらの作品は、三浦光雄がどのように撮影技術を駆使して作品の表現を高めたのかを示す良い例です。

特別上映と講演会の開催
特集期間中には、特別上映として、三浦光雄が手がけた作品を可燃性オリジナルネガからダイレクトプリントした作品も上映されます。特に、五所平之助とのコンビ作である『わかれ雲』(1951)、『朝の波紋』(1952)、『煙突の見える場所』(1953)は、階調豊かな白と黒のシャープな画質を体感できる貴重な機会です。
また、上映後には映画研究者による講演会も開催されます。4月12日(土)には鷲谷花氏(大阪国際児童文学振興財団特別専門員)が、4月19日(土)には宮尾大輔氏(カリフォルニア大学サンディエゴ校教授)がそれぞれ講演を行います。これにより、三浦光雄の撮影技術への理解が深まることでしょう。

講演会の詳細
講演会は以下のように予定されています。
- 4月12日(土)
- 『腰辨頑張れ/嬉しい娘』の上映後、鷲谷花氏による講演
- 4月19日(土)
- 『藤十郎の戀』の上映後、宮尾大輔氏による講演
これらの講演を通じて、三浦光雄がもたらした作品世界への理解がさらに深まることが期待されます。

開催概要とチケット情報
本企画の開催概要は以下の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
企画名 | 撮影監督 三浦光雄(英題:Cinematographer Mitsuo Miura) |
会期 | 2025年4月8日(火)-5月11日(日) ※月曜休館 |
会場 | 国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU[2階] |
HP | 国立映画アーカイブ公式サイト |
問い合わせ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
チケット情報や詳細については、公式サイトでご確認ください。三浦光雄の映画撮影における偉業を振り返る貴重な機会となる本企画に、多くの方々の参加が期待されます。
参考リンク: