夢二忌 (記念日 9月1日)

夢二忌とは？

竹久夢二の生涯とは

竹久夢二、この名前を耳にしたことはありますか？明治から昭和にかけて活躍した画家であり詩人です。岡山県出身の彼は、家業の酒造業を継ぐことなく、上京して絵の道を志しました。独特の美意識を持ち、「夢二式」と称される美人画を多く残しています。彼の生涯は、まさに日本の近代美術史において、色濃く刻まれたものですね。

夢二が生まれたのは1884年、明治17年のこと。兄の死により、事実上の長男として育った彼は、家族の期待を一身に受けながらも、自らの芸術への情熱を優先させました。早稲田実業学校専攻科に学んだものの、21歳で中退し、絵描きの道を歩み始めるのです。

夢二は、平民社の機関誌『直言』で挿絵を手がけることからキャリアをスタートし、『平民新聞』や『中学世界』などにも作品を寄稿しました。彼の詩『宵待草』は、曲が付けられて大衆歌となり、当時の若者を中心に広く愛されました。

彼の芸術は、大正ロマンを象徴するものとして、今なお多くの人々に愛されています。夢二の作品に触れることで、あの時代の空気を感じ取ることができるでしょう。

夢二のアートワーク

夢二のアートワークは、絵画だけに留まりませんでした。書籍の装幀や広告宣伝物、日用雑貨に至るまで、彼の手がけたデザインは、今日のグラフィックデザインにも大きな影響を与えています。夢二のデザインした浴衣は、彼の美意識が反映された逸品として、いまもなお多くの人々に親しまれていますね。

夢二の美人画は、「夢二式」と称されるほど独特のスタイルを持っており、女性の優雅さや憂いを表現した作品は、見る者を魅了します。彼の作品は、日本の美に対する理解を深める手がかりとなるでしょう。

画集『夢二画集春の巻』や『夢二画集夏の巻』、詩歌集『どんたく』など、彼の遺した作品は数多く、それぞれが夢二の豊かな内面世界を映し出しています。彼の作品を通じて、大正ロマンの世界を垣間見ることができるのです。

夢二の死とその後

夢二の生涯は、1934年、49歳の若さで結核により幕を閉じました。彼の最後の言葉が「ありがとう」ということは、彼の人柄を物語っているように思います。夢二の墓地は、東京都豊島区の雑司ヶ谷霊園にあります。彼の死後も、夢二のアートワークは多くの人々に愛され続けています。

現在では、夢二の作品を所蔵する美術館がいくつか存在します。岡山市中区にある「夢二郷土美術館」は、本館として彼の作品を展示しており、出身地の瀬戸内市には別館が設けられています。また、彼が旅をした群馬県渋川市には「竹久夢二伊香保記念館」があり、石川県金沢市には「金沢湯涌夢二館」があります。これらの美術館で夢二の世界に触れることができるのです。