黒豆の日 (記念日 9月6日)
お正月のおせち料理に欠かせない黒豆。「祝い肴三種」のひとつに数えられ、「この3品さえあればお正月を迎えられる」とまで言われる存在です。黒豆がおせちに入るようになったのは江戸時代の1830年頃とされ、「まめ」という言葉に「元気」「丈夫」「勤勉」の意味を重ねた縁起物として親しまれてきました。9月6日は「く(9)ろ(6)」の語呂合わせから「黒豆の日」。黒豆をはじめとする豆製品を扱う菊池食品工業株式会社が制定し、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。同社は1914年(大正3年)創業の老舗で、2014年には創業100周年を迎えました。
黒豆の正体は、大豆の一品種である「黒大豆」です。通常の大豆と大きく異なるのは、その名の通り種皮が黒いこと。この黒い色の正体は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンです。なかでも「シアニジン-3-グルコシド(C3G)」という成分が多く含まれており、アントシアニンの中でも最も抗酸化力が強いとされています。
つまり黒豆は、普通の大豆の栄養に抗酸化パワーが上乗せされた食材です。
黒大豆ポリフェノールに期待される健康効果は多岐にわたります。血管のしなやかさを改善して動脈硬化を予防する作用、インスリン感受性を高めて血糖値の改善に寄与する作用などが研究で報告されています。大豆由来のイソフラボンやサポニン、良質なたんぱく質も含まれるため、健康食材としての総合力は見逃せません。
黒豆の楽しみ方は煮豆だけではありません。近年は黒豆茶の人気が高まっており、煮汁を飲む習慣も広がっています。黒豆を炒って湯を注ぐだけで手軽にポリフェノールを摂取でき、ノンカフェインのため就寝前にも向いています。煮豆にする場合、関東では皮にしわが寄るように煮て「しわができるまで長く働けるように」と願い、関西ではふっくら艶やかに仕上げて「いつまでも若々しく」と願うなど、地域ごとの文化の違いも面白いところです。
栽培の歴史も古く、16世紀には宮中への献上品に黒豆の名が見られます。現在の主な産地は兵庫県丹波篠山や京都府の丹波地方、北海道など。特に丹波黒は粒が大きくもっちりとした食感で、最高級品として知られています。縁起物としてだけでなく、栄養面でも実力を備えた黒豆。9月6日をきっかけに、季節を問わず食卓に取り入れてみてはどうでしょうか。