2024年10月29日、野生生物の適切な描写を求める新たなサポート開始
ベストカレンダー編集部
2024年10月29日 11:13
野生生物描写改善支援
開催日:10月29日
野生生物の適切な描写を求めるステートメント
国際自然保護連合(IUCN)が2024年10月29日に更新したレッドリストでは、ますます多くの種が絶滅危惧種に分類される結果となりました。この状況を受けて、野生生物を守るためにはメディアやクリエイティブの力が重要であることが強調されています。特に、野生生物の適切な描写を求めるとともに、そのためのサポートが開始されることが発表されました。
この取り組みは、Rooting Our Own Tomorrows(ROOTs)を通じて行われ、番組制作会社や映像クリエイター、広告クリエイター、報道関係者など、幅広いメディア関係者に向けたメッセージが発信されています。
野生生物の魅力とその影響
野生生物は、その多様な姿や迫力のある行動で私たちを魅了します。映画やアニメ、ゲーム、広告など、さまざまなコンテンツにインスピレーションを与え、物語を彩ってきました。野生生物の美しさや多様性は、人々の心を捉え、感動的な物語や作品を生み出す源となっています。
特に、野生生物との出会いは多くの人にとって人生を変えるほどの経験となることがあります。クリエイティブな表現は、野生生物の魅力を伝え、人々の心を動かし、行動を促す力を持っています。しかし、日本は野生生物の消費大国でもあり、ペットとしての需要や食用、装飾品としての利用など、過剰な利用が問題視されています。
野生生物の過剰利用とその影響
28日に発表されたIUCNのレッドリストの更新では、多くの種が新たに絶滅危惧種に分類されました。これにより、持続可能ではない野生生物の利用や取引を止める必要性が強調されています。しかし、メディアにおいては、野生生物が安易にペットとして描かれたり、擬人化や美化されることが依然として見受けられます。
このような描写は、視聴者や消費者に誤った認識を植え付け、野生生物を「所有」または「支配」できるという錯覚を助長します。その結果、違法な野生生物取引を助長し、多くの種が絶滅の危機に瀕することにつながっています。
具体的な問題の事例
以下は、メディアにおける問題のある具体的な事例です。
- テレビ番組で、タレントが希少な野生生物を捕獲するシーンが放送され、生物学的特徴よりも金銭的価値や希少性が強調される。
- 主人公が怪我をした野生の動物を保護・飼育し、親密な友情ストーリーが描かれる。
- 動物園の飼育員がSNSで、飼育下の子どものトラと不必要に接する動画をアップロードし、動物飼育員の仕事の素晴らしさを伝える。
- 希少な野生動物をペットとして飼育している様子を動画で配信し、需要を喚起する形で飼育のコツを紹介する。
クリエイティブの力と責任
野生生物を守るためには、クリエイティブの力が不可欠です。物語や映像、音楽、デジタルコンテンツを通じて、私たちは野生生物の美しさや尊さ、彼らが直面する危機を人々の心に響く形で伝えることができます。クリエイターの皆様には、これらの問題を認識し、責任ある行動を求められています。
一方で、クリエイターの皆様が抱える課題も理解されています。具体的には、以下のような点が挙げられます。
- 野生生物に関する専門知識の不足
- 絶滅危惧種や保護動物の情報が簡単には手に入らない。
- リスク管理の難しさ
- 制作に関わる人全員が野生生物への影響を理解しているとは限らず、炎上や批判を招くリスクがある。
- 適切な表現方法がわからず、制作が滞ることがある。
Wildlife Media Initiativeの取り組み
ROOTsは、クリエイターと共に野生生物と人が共存する未来を創造するため、Wildlife Media Initiativeを立ち上げました。この取り組みでは、以下のサポートを提供します。
- 責任ある描写のためのガイドラインと情報提供を行い、野生生物の生態や保全についての理解を深めるサポートをします。
- 作品制作におけるリスク評価をサポートし、問題を未然に防ぎます。
- クリエイター向けのワークショップやセミナーを開催し、野生生物保全におけるメディアの役割や配慮ある表現方法について共有します。
- 定期的な意見交換や情報共有を行い、共に問題解決を目指します。
- 優れた作品を表彰し、野生生物保全への貢献を称えます。
生き物を守るためには、クリエイティブの力が大きな役割を果たします。クリエイターが野生生物の適切な描写を通じて、生物多様性保全に貢献できるよう、情報発信や対話を行っていくことが重要です。メディア関係者は、野生生物と人が共存する未来を実現するために、積極的に取り組む必要があります。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
発表機関 | IUCN(国際自然保護連合) |
目的 | 野生生物の適切な描写を求め、保護活動を促進する |
課題 | 過剰利用、誤った認識の植え付け |
具体的な事例 | テレビ番組、SNSでの不適切な描写 |
サポート内容 | ガイドライン提供、リスク評価、ワークショップ開催 |
これらの取り組みを通じて、野生生物の保護とメディアの責任ある利用が促進されることが期待されています。今後も野生生物と人が共存する未来を目指し、様々な活動が進められることが望まれます。
参考リンク: