2024年12月開催予定のJBS株主総会に向けた株主提案の詳細

JBS株主提案発表

開催日:12月1日

JBS株主提案発表
日本ビジネスシステムズに対する株主提案って何が目的なの?
この提案は、ESGの視点から企業価値を向上させ、株主の利益を最大化することを目的としています。
提案された内容にはどんなことが含まれているの?
提案には、配当方針の見直しや不動産投資の制限、ガバナンスの強化が含まれています。

日本ビジネスシステムズ株式会社に対する株主提案の概要

2024年11月7日、Swiss-Asia Financial Services Pte Ltd(以下「SAFS」)が運営するファンド、Global ESG Strategy(以下「GES」)が日本ビジネスシステムズ株式会社(以下「JBS」)に対して株主提案を行うことを発表しました。この提案は、ESG(環境、社会、ガバナンス)の視点から中長期的な企業価値の向上を目指すものであり、株主の利益を最大化することを目的としています。

GESは、2023年からJBSに対する投資を開始し、現在は議決権を有する株式を2%強保有しています。今回の提案は、2024年12月に開催予定のJBSの定時株主総会に向けて提出されました。

提案の具体的な内容

GESが提出した株主提案には、以下の6つの議題が含まれています。これらの議題は、JBSの経営方針や株主還元策に対する重要な変更を求めるものであり、企業の成長と株主価値の向上を図るものです。

  1. 剰余金処分の件
    1株あたり期末配当71円(特別損失調整前配当性向で100%)
  2. 定款の一部変更の件(剰余金の配当方針について)
    今後3年間の配当方針を配当性向100%に
  3. 定款の一部変更の件(不動産取得にかかる方針について)
    年間の不動産投資額は株主還元額を超えない範囲に制限
  4. 定款の一部変更の件(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について)
    有形固定資産の効率的活用の検討を含む
  5. 定款の一部変更の件(上場市場区分変更計画の策定及び開示について)
  6. 定款の一部変更の件(取締役による株主との面談対応について)

これらの提案は、JBSが直面している「新規上場の罠」と呼ばれる問題に対処するためのものです。この問題は、新規上場企業が資本を有効に活用できず、株価が低迷することから生じています。JBSは2022年8月に上場後まもなく中期経営計画を発表しましたが、その後の業績予想の下方修正や計画の未達が続き、株主からの信頼を失っています。

JBSの現状と課題

JBSは上場以来、経営方針が不明確であり、ガバナンスの機能不全が問題視されています。特に、上場直後のネクストスケープ社の買収に関しては、短期間でのれんの全額減損が発生するなど、経営判断に対する疑問が生じています。

また、社宅不動産への投資が資本効率を悪化させているにもかかわらず、その投資が加速している現状も懸念されています。JBSは現在、全10棟、推定約164億円の社宅不動産を保有していますが、その合理的な説明がなされていないため、株主や投資家からの信頼を失う要因となっています。

GESの意図と今後の展望

GESは、JBSの株主提案を通じて、ガバナンスの問題点を解消し、資本効率を追求する経営を実現することを目指しています。具体的には、株主の利益を最大化するための透明性のある経営方針を確立し、企業価値の向上を図ることが求められています。

この提案が実現することで、JBSは新規上場の罠から脱却し、真に成長路線に回帰することが期待されます。GESは、株主の皆様への情報公開を通じて、JBSの経営改善に寄与する意向を示しています。

まとめ

今回の株主提案は、日本ビジネスシステムズ株式会社の経営改善に向けた重要なステップです。提案内容には、配当方針の見直しや不動産投資の制限、ガバナンスの強化が含まれており、これらはJBSの持続可能な成長に向けた基盤を築くために必要な施策です。

議題 内容
1 剰余金処分の件(1株あたり期末配当71円)
2 定款の一部変更(配当性向100%)
3 定款の一部変更(不動産取得方針)
4 定款の一部変更(資本コスト意識した経営)
5 定款の一部変更(上場市場区分変更計画)
6 定款の一部変更(取締役による株主面談対応)

この提案が実現することで、JBSは新たな成長の道を切り開くことが期待されます。今後の動向に注目が集まります。