私立東海中学・高校の教員が挑むクラフトビール事業、2023年6月に免許取得予定
ベストカレンダー編集部
2025年1月22日 05:45
Dragon Brewing設立
開催日:6月1日

私立東海中学・高校の教員が挑むクラフトビール醸造事業
愛知県名古屋市に位置する私立東海中学校・高校の現役教員5名が中心となり、新たにクラフトビール醸造・販売を行う株式会社Dragon Brewingを設立しました。この取り組みは、教員自らが起業に挑戦することで教育の現場にも新しい風を吹き込むことを目的としています。
現在、ビール市場では若者や女性のビール離れが進んでおり、これを受けて彼らが求める「甘め・軽め」で健康に配慮したビールを製造することが求められています。Dragon Brewingは、学校が持つ保護者やOBのネットワークを活用し、これらのニーズに応える新たなビジネスモデルを構築することを目指しています。

起業のきっかけとビジネス愛好会の設立
このプロジェクトのスタートは、2023年に設立された「ビジネス愛好会」から始まりました。教員たちは、生徒たちに「正解のない課題解決にもっと挑戦してほしい」との思いを持ち、まずは自ら起業に挑戦することが重要だと考えました。その結果、理科・英語・国語の教員に社会人を加えたチームが結成され、新たなクラフトビールの醸造を目指すことになりました。
2024年3月には、ナゴヤ・イノベーターズ・ガレージで開催された「Startup Dragon-Gate」というスタートアップイベントで優勝し、賞金を獲得することに成功しました。この成功が、彼らの起業の原動力となっています。

クラフトビールの醸造と教育の新たな形
Dragon Brewingでは、カットフルーツの残渣や摘果をアップサイクルしたフルーツビールの醸造を目指しています。現在、島根県のマイクロ・ブリュワリー「石見麦酒」にて醸造修行を行っており、教員たちはその技術を磨いています。彼らが目指すのは、新たなビールを造ることだけでなく、新たな教育の形を提供することです。
VUCAの時代において求められるリーダーシップや課題解決能力、仲間との協働力を育成するために、教育現場では学力だけでなく、実際のビジネス経験を通じてアントレプレナーシップ(起業家精神)を身に付けさせることが重要です。教員自らが起業に挑戦することで、生徒たちに実践的な学びを提供し、彼らのキャリア観に新たな視点を加えることを目指しています。

保護者やOBとのネットワークを活用した事業展開
このクラフトビール醸造事業は、ほぼ全て学校の保護者やOBとのネットワークを活用して進められています。醸造所として利用予定の物件は、学校行事の撮影を行う写真館の社宅であり、築年数が古く現在は入居者がいないため、改築して醸造所をオープンする予定です。
物件の改築に関しては、設計・建築会社を経営する保護者に依頼し、会社のロゴについても広告・デザイン会社を経営する保護者に依頼して作成しました。ビールの原料となるホップの実とタツノオトシゴをモチーフにしたロゴは、プロフェッショナルな仕上がりとなっています。
今後、ビールの販売先についても保護者やOBが経営するレストランなどを中心に検討しており、地域とのつながりを強化することが期待されています。

今後の展望と目標
Dragon Brewingは、2023年6月には醸造免許を取得する予定で、来夏にはフルーツビールを販売することを目指しています。この取り組みは、学校の教員がクラフトビール事業を通じて保護者やOBとの繋がりを強め、その学びを教育現場に還元する新たな試みとして注目されています。
教員たちの挑戦が成功することで、教育現場におけるアントレプレナーシップ教育の新たな形が生まれることが期待されます。教育の枠を超えた新たなビジネスモデルが、今後の教育現場にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社Dragon Brewing |
設立日 | 2023年 |
所在地 | 愛知県名古屋市 |
目指すビール | 甘め・軽めで健康に配慮したフルーツビール |
醸造修行先 | 島根県のマイクロ・ブリュワリー「石見麦酒」 |
醸造所予定物件 | 学校行事の撮影を行う写真館の旧社宅 |
今後の目標 | 2023年6月に醸造免許取得、来夏にフルーツビール販売 |
このように、私立東海中学・高校の教員たちが挑戦するクラフトビール醸造事業は、単なるビジネスの枠を超え、教育の現場に新たな価値を提供することを目指しています。今後の展開に注目が集まることでしょう。
参考リンク: