村上春樹の新作『街とその不確かな壁』が4月23日に文庫化!幻想的な物語が再び
ベストカレンダー編集部
2025年3月20日 09:42
村上春樹新作文庫化
開催日:4月23日

村上春樹の新作『街とその不確かな壁』が文庫化
著者にとって6年ぶりとなる長編作品が、ついに文庫化されます。株式会社新潮社は、村上春樹の最新作『街とその不確かな壁』(上・下)を新潮文庫より2025年4月23日(水)に発売することを発表しました。この作品は、村上春樹ならではの幻想的な世界観を持ち、読者を魅了する内容となっています。

『街とその不確かな壁』の内容
『街とその不確かな壁(上)』では、物語は十七歳と十六歳の夏の夕暮れから始まります。主人公は川べりに腰を下ろし、謎めいた街について語り出します。その街は高い壁と望楼に囲まれ、そこには“本当のきみ”がいると言われています。物語の中では、古い夢が並ぶ図書館や、石造りの三つの橋、針のない時計台、金雀児の葉、角笛と金色の獣たちが描かれ、幻想的な情景が広がります。
一方、『街とその不確かな壁(下)』では、図書館のほの暗い館長室で主人公が孤独や悲しみ、街や影について問いかける場面が描かれます。ある日、彼の前に不思議な少年が現れ、彼は自ら描いた街の地図を持っており、影を棄てて壁の内側に入りたいと語ります。このように、二つの世界を行き来する物語が展開されます。
村上春樹の文学的背景
村上春樹は、1980年に中編小説「街と、その不確かな壁」を発表し、1985年にはそのテーマを発展させた長編小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を発表しました。この作品は、幻想世界と冒険活劇の二つのストーリーが交錯する内容であり、「世界の終り」の街を舞台にしています。人々が影を持たないという謎めいた街の描写は、多くの読者に深い印象を与えました。
今回の『街とその不確かな壁』は、40年の歳月を経て、村上春樹がその文学的原点である街に立ち戻り、新たな物語を構想した渾身の作品です。彼の作品には、独特の幻想的な要素や深い心理描写が織り込まれており、読者はその世界に引き込まれます。
著者紹介と受賞歴
村上春樹(むらかみ・はるき)は1949年に京都市で生まれ、早稲田大学第一文学部を卒業しました。1979年に『風の歌を聴け』でデビューし、その後多くの長編小説や短編小説を発表しています。主な作品には、『羊をめぐる冒険』『ノルウェイの森』『1Q84』などがあります。
彼の作品は国内外で高く評価されており、数多くの文学賞を受賞しています。特に、2006年にはフランツ・カフカ賞、2009年にはエルサレム賞、2016年にはハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞を受賞しました。2023年にはスペインのアストゥリアス王女賞文学部門を受賞し、2024年には早稲田大学から名誉博士号を授与される予定です。
書籍の詳細情報
『街とその不確かな壁』の詳細情報は以下の通りです。
タイトル | 街とその不確かな壁(上・下) |
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著者名 | 村上春樹 |
発売日 | 2025年4月23日 |
造本 | 新潮文庫 |
定価 | 上巻:990円 / 下巻:935円(いずれも税込) |
ISBN | 上巻:978-4-10-100178-4 / 下巻:978-4-10-100179-1 |
URL | 新潮社公式サイト |
村上春樹の新作『街とその不確かな壁』は、彼の独特な世界観が詰まった作品であり、ファンにとっては待望の文庫化となります。新しい物語を通じて、村上春樹の文学の魅力を再発見できる機会となるでしょう。
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