河合楽器が2035年までの長期成長計画『KAWAI 十年の計』を策定、鍵盤楽器市場でのシェア拡大を目指す

KAWAI十年の計開始

開催日:4月1日

KAWAI十年の計開始
河合楽器製作所の新しい経営計画ってどんな内容?
河合楽器製作所が2025年4月から2035年3月までの10年間で鍵盤楽器事業の成長と企業価値向上を目指す計画です。
『KAWAI 十年の計』で具体的に何を目指しているの?
鍵盤楽器市場でのシェア拡大や新興市場の開拓、品質とブランドの向上を通じて、世界一の鍵盤楽器メーカーを目指します。

河合楽器製作所 第8次中期経営計画『KAWAI 十年の計』の概要

株式会社河合楽器製作所は、2025年4月から2035年3月までの10年間を対象とした第8次中期経営計画『KAWAI 十年の計』を策定しました。この計画は、同社が「世界一の鍵盤楽器メーカー」になることを目指し、鍵盤楽器事業の成長と永続的な企業価値の向上を図るものです。

この10か年計画の策定に至った背景には、主力事業である楽器教育事業における収益増大の余地がある一方で、成熟市場でのシェア拡大や新興市場の開拓には時間がかかるという現実があります。これにより、従来の3年間の中期経営計画では大きな成長を実現することが難しいと判断され、10年間の計画が設定されました。

計画期間と財務目標

『KAWAI 十年の計』の計画期間は、2025年4月から2035年3月までの10年間にわたります。この期間中に達成を目指す財務目標は以下の通りです。

年度 売上高(億円) 営業利益(億円) 営業利益率 ROE
2028年3月期(3年目) 900 50 5.6% 5.5%
2031年3月期(6年目) 1,100 80 7.3% 10.0%
2035年3月期(10年目) 1,300 150 11.5% 16.0%

これらの目標は、鍵盤楽器市場におけるシェア拡大と新興市場の開拓を通じて、持続的な成長を実現するための指標となります。

『KAWAI 十年の計』の実現に向けた戦略

河合楽器製作所は、以下の戦略を通じて『KAWAI 十年の計』の実現を目指します。

  1. デジタル化とリアルな需要の両立
    デジタル化が進む中でも、リアルなモノやコトの需要が増加することが予想されています。これにより、鍵盤楽器や音楽/体育教室の需要は安定して推移する見込みです。
  2. 成熟市場でのシェア拡大
    鍵盤楽器のシェア向上余地が大きいため、新興市場の開拓に依存せずとも、既存市場でのシェア拡大が可能です。
  3. 品質とブランドの向上
    ピアノや電子ピアノの品質向上、ブランド認知度の向上、販売チャネルの増強を図り、高付加価値化を実現します。特に欧州と北米市場における戦略を強化します。
  4. 資本効率の改善
    持続的な成長と株主還元のバランスを考慮し、キャピタルアロケーションを実施し、資本効率を継続的に改善します。
  5. 株主還元の強化
    累進配当と総還元性向50%以上を維持し、株主に対する還元を強化します。

これらの戦略に基づき、河合楽器製作所は持続可能な成長を目指し、企業価値の向上を図ります。

まとめ

河合楽器製作所の第8次中期経営計画『KAWAI 十年の計』は、10年間を見据えた長期的な成長戦略を示しています。鍵盤楽器市場の成熟と新興市場の開拓を通じて、売上高や営業利益の目標を設定し、資本効率の改善や株主還元の強化を図ることが重要なポイントとなります。

以下に、本計画の主要な内容を整理した表を示します。

項目 内容
計画期間 2025年4月~2035年3月(10年間)
売上高目標 2035年3月期に1,300億円
営業利益目標 2035年3月期に150億円
ROE目標 2035年3月期に16.0%以上
戦略 品質向上、ブランド認知度向上、資本効率改善、株主還元強化

この計画が実現されることで、河合楽器製作所はさらなる成長を遂げ、鍵盤楽器市場における地位を確立することが期待されます。