西京漬の日 (記念日 3月9日)
3月9日は「西京漬の日」です。日付の決め方がユニークで、まず「さ(3)かな(7)」の語呂合わせから3月7日を「さかなの日」とし、そこから二昼夜後の3月9日を西京漬の日に定めています。これは京都一の傳が守り続ける「本漬け」の製法、つまり二昼夜以上じっくり漬け込むという工程を日付そのもので表現した命名です。
西京漬とは、西京味噌に魚や肉を漬け込んだ料理のこと。西京味噌は塩分が5%前後と、通常の味噌汁用味噌(12%前後)に比べて大幅に低く、米麹の比率が高い甘口の白味噌です。その原点は1830年(天保元年)、丹波杜氏の初代・丹波屋茂助が禁裏御所(現在の京都御所)の御用命を受け、宮中の料理用味噌を献上したことに遡ります。明治維新で都が「東京」となった際に旧都・京都を「西京」と呼んだことから、この名が定着しました。味噌漬け自体の歴史はさらに古く、平安時代の法典「延喜式」にも記録が残っています。当初は手間のかかる高級品として貴族や僧侶が口にするものでしたが、庶民への普及は室町時代中期ごろとされています。
記念日を制定したのは、1927年(昭和2年)創業の株式会社京都一の傳です。同社の看板商品「蔵みそ漬」は、京都の老舗から特別に取り寄せた西京味噌に、伏見の名蔵元が手がける本格純米酒、木樽仕込みで3年間熟成させた醤油を合わせた秘伝の味噌床で作られます。魚の種類や季節、形によって漬け込む時間を変え、旨味を最大限に引き出す職人の仕事が根幹にあります。
この記念日は2018年(平成30年)に一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録されました。3月9日前後には「西京漬の日」記念セットの販売や試食会などのキャンペーンが実施されています。西京味噌はお正月の京都の雑煮にも欠かせない存在で、酒味噌・田楽・製菓(味噌松風)など幅広い用途で使われています。