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恋と革命のインドカリーの日 (記念日 6月12日)

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日本で初めての「純印度式カリー」が誕生した背景には、ただ美味しいだけでなく、深い人間ドラマが隠されていることをご存じでしょうか?

「恋と革命のインドカリーの日」とは

記念日の由来

1927年(昭和2年)、東京の新宿にある中村屋が日本初の「純印度式カリー」を販売開始した日です。この日を記念日とするには、相馬愛蔵・黒光夫妻の娘、俊子さんの人生が大きく関わっています。

俊子さんは、インド独立運動家ラス・ビハリ・ボースとの恋愛をきっかけに、インドカリーの伝来に大きな役割を果たしました。このロマンティックなエピソードが、記念日の名前にも反映されているのです。

しかし、この記念日には、恋愛だけでなく、政治的な背景も深く関わっています。ラス・ビハリ・ボースはイギリスの圧政からインドを解放しようとした独立運動の英雄でした。

日本に亡命後、日英同盟の緊張を背景に、国外退去の危機に瀕していたボースを、相馬夫妻が匿ったという歴史の証人でもあるのです。

中村屋と純印度式カリー

中村屋は、俊子さんとボースの結婚を通じて、インド文化に深い関心を持つようになりました。そして、俊子さんが亡くなった後も、ボースとの交流を深め、彼の提案により純印度式カリーを発売することになったのです。

当時の日本に広まっていたカリーは、イギリス風の小麦粉を使用したものでした。しかし、ボースは本場のインドカリーを日本に紹介しようとし、それが中村屋の名物料理として受け継がれているのです。

恋と革命の味

このカリーは、ただの料理ではなく、「恋と革命の味」として現在も多くの人々に愛されています。それは、インド独立運動という歴史的背景と、国際的な恋愛物語が融合した、まさに革命的な味わいなのです。

中村屋がこのカリーを通じて伝えたかったのは、料理を超えたメッセージであり、それが今も多くの人の心を掴んで離さない理由でしょう。

インド独立運動と日本

ラス・ビハリ・ボースと日本

ラス・ビハリ・ボースは、インド独立運動のために多大な影響を与えた人物です。日本に亡命してからも、彼の独立への情熱は衰えることがありませんでした。

彼は、日本でアジア解放運動に参加し、多くの日本人と交流を持ち、日本の支援を得てインド独立運動を推進しました。この歴史的な背景が、今日の日本とインドの友好関係の礎を築いたと言っても過言ではありません。

アジア主義者との絆

日本におけるアジア主義者の動きは、ボースをはじめとする独立運動家たちを支える大きな力となりました。相馬夫妻もまた、この運動に共感し、ボースを支援したのです。

頭山満のようなアジア主義者たちとの絆は、日本の歴史の中で重要な役割を担っており、この絆が今日の日本の国際的な立場に影響を与えていると言えるでしょう。

カリーと日本文化の融合

カリーが日本に与えた影響

カリーは、日本においても非常にポピュラーな料理となりましたが、その背景には、このような歴史的な出来事が存在しています。日本でのカリーの普及は、文化の交流という面でも非常に意義深いことです。

純印度式カリーの登場は、日本の食文化に新たな風を吹き込みました。そして、それはただの食事の時間を超えて、異文化理解へのきっかけを提供しているのです。

今日、私たちは中村屋のカリーを口にすることで、恋と革命の物語に思いを馳せることができます。それは、食文化を通じて歴史を感じることができる、素晴らしい体験ではないでしょうか。

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