九九の日 (記念日 9月9日)

九九の日

「四六時中」という言葉は、一日中・常にという意味で広く使われていますが、この表現が九九の掛け算から生まれたことをご存じでしょうか。4×6=24で、一日24時間のすべてを指す言葉です。九九の知識は日本語の慣用表現や日常生活の奥深いところにまで溶け込んでいます。9月9日は「九九の日」。「九九(くく)」という読み方の語呂合わせから、石川県小松市の西満懐氏が制定しました。夏休み明けの時期でもあるこの日に、算数の基礎である九九を改めて見つめ直すことで、多くの人に基礎・基本を大切にしてほしいという願いが込められています。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。

日本の学習指導要領では、掛け算九九は小学校2年生で学習します。1位数同士の乗法として、2の段から9の段までを覚えることが求められます。しかし九九には掛け算だけでなく、足し算九九・引き算九九・割り算九九も存在します。足し算と引き算の九九は、江戸時代の寺子屋でも教えられていた歴史ある学習法です。

「四六時中」の語源となった九九ですが、もともと江戸時代には「二六時中」という表現が使われていました。当時は一日を「子の刻」「丑の刻」などの十二刻で表し、昼と夜それぞれ六刻に分けていました。2×6=12刻、つまり一日中という意味です。その後、時刻の数え方が変化し、4×6=24時間という計算式に基づく「四六時中」へと言い換えられました。九九の式がそのまま時代の変化とともに言葉を塗り替えていった、興味深い歴史です。

年齢や時間の表現にも九九が活躍しています。「三五は十五歳」を意味するほか、「三五夜」は十五夜の略として使われます。「二八は十六歳」という言い方もあり、年齢や時の概念に九九が自然に組み込まれてきた文化が見えてきます。算数の道具にとどまらず、生活語彙の根っこに息づいている九九の存在感は、思いのほか大きなものがあります。

九九の日の制定には、計算の習熟にとどまらず、自分の仕事や日常における「基礎・基本」を振り返る契機にしてほしいという想いが込められています。子どもの頃に覚えた九九が、日常語彙の成り立ちや時間の概念にまで根を張っていたように、基礎の積み重ねは目に見えないところで確実に機能しています。

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