MBOって一体何?企業買収と目標管理の二面性を解説
ベストカレンダー編集部
2024年04月7日 00時30分
MBO(Management Buyout)とは
MBOとは、Management Buyoutの略称であり、企業の経営陣が自社や一部の事業部門の株式を買い取って経営権を獲得することを指します。この手法は、企業の経営者が自社の未来に賭け、長期的な経営計画を実行しやすくするために用いられます。MBOは、従業員が株式や事業部門を買い取るEBO(Employee Buyout)とは異なります。
三菱UFJ銀行の解説によると、MBOはM&A(Mergers and Acquisitions)の一種であり、外部の第三者ではなく、経営陣自身が買い手となる点が特徴です。また、上場企業の場合、株式公開買付(TOB)を用いることがありますが、MBOは上場・非上場を問わず実施されることが多いです。参照元
以下にMBOの主なメリットとデメリット、および成功させるためのポイントをまとめます。
- メリット:
- 中長期的な経営が可能になる
- 経営の自由度や意思決定のスピードを上げることができる
- 従業員からの反発が少なくなる
- TOBを回避できる
- コスト削減
- 事業承継における後継者問題を解決できる
- デメリット:
- 既存株主との対立が生まれることがある
- 財務状況が悪化する可能性がある
成功させるためには、MBO後の計画を明確にする、既存株主との対立を避ける、適切な価値算定と資金調達を行うことが重要です。
目標管理制度(MBO)とは
一方で、目標管理制度としてのMBO(Management by Objectives)は、1954年にピーター・ドラッガーによって提唱された組織マネジメントの概念です。こちらは、個別またはグループごとに目標を設定し、達成度合いで評価を決める制度を指します。参照元
目標管理制度のメリットには、従業員のモチベーション向上、評価制度・賃金制度に活かすことができる点が挙げられます。一方で、自主性が無視されたノルマ主義に陥るリスクや、評価者の負担増などのデメリットも指摘されています。
成功のポイントとしては、明確で具体的な目標設定、適正な目標レベルの設定、時間軸の設定、目標を達成するための方法の明記が重要です。また、組織のリーダーは、部下に対してアドバイザーやサポート役に徹し、目標達成に向けた行動計画をサポートすることが求められます。
以上、MBOには企業買収の手法としての意味と、組織内の目標管理制度としての二つの側面があります。どちらも組織や個人の成長と発展に貢献するために考案された重要なマネジメント手法です。