2024年10月28日から始まるエチレン生産最適化への取り組みとは

エチレン生産最適化開始

開催日:10月28日

エチレン生産最適化って具体的に何をするの?
エチレン製造装置の稼働率を向上させ、固定費を削減し、収益基盤を強化するための取り組みを行います。
この取り組みで環境への影響はどうなるの?
エチレン生産の効率化によりCO2排出量を削減し、カーボンネットゼロの実現に貢献します。

エチレン生産最適化の検討開始

2024年10月28日、コスモエネルギーホールディングス株式会社(代表取締役社長:山田 茂)のグループ会社である丸善石油化学株式会社(代表取締役社長:馬場 稔温)は、エチレン製造装置の生産最適化に関する検討を開始することを発表しました。この取り組みは、基礎化学品事業の競争力を強化することを目的としており、特に丸善石油化学の第3エチレン製造装置および京葉エチレン株式会社の第4エチレン製造装置に焦点を当てています。

近年、日本の石油化学産業は、中国での大型装置の新設や増強による供給過剰、さらには国内エチレン需要の減少といった厳しい事業環境に直面しています。このような状況の中で、日本のエチレン製造装置は低稼働が続いており、業界全体の収益性が脅かされています。

エチレン製造装置の現状と課題

エチレンは、石油化学製品の基礎となる重要な化学品であり、様々な製品の原材料として利用されています。しかし、国内のエチレン需要が減少する中、製造装置の稼働率が低下していることは大きな課題です。このため、丸善石油化学は、エチレン製造装置の停止を含む能力削減の検討を行い、稼働率向上と固定費削減による収益基盤の強化を目指しています。

さらに、カーボンネットゼロを実現するためのグリーントランスフォーメーション(GX)への積極的な参画が求められており、CO2排出量の削減も重要な課題となっています。このため、丸善石油化学は、エチレン製造装置の効率的な運用を通じて、環境負荷の軽減にも取り組んでいます。

エチレン製造装置の具体的な情報

丸善石油化学が運営するエチレン製造装置の詳細は以下の通りです。

装置名 操業開始年月 エチレン生産能力 定期修理年ベース生産能力
第3エチレン製造装置 1969年4月 525千t/年 480千t/年
第4エチレン製造装置(京葉エチレン) 1994年12月 768千t/年 690千t/年

京葉エチレン株式会社の設立は1991年9月で、出資金は6,000百万円、出資比率は丸善石油化学が55%、住友化学が45%となっています。この合弁会社は、エチレンの生産を通じて、より効率的な運営を目指しています。

持続可能なエネルギーへの取り組み

コスモエネルギーグループは、「未来を変えるエネルギー、社会を支えるエネルギー、新たな価値を創造する。」というVision 2030を掲げており、今後も企業価値の向上に向けた取り組みを続けていきます。エチレン生産の最適化は、その一環として位置づけられており、競争力の強化とともに、環境への配慮も重視されています。

このような取り組みを通じて、丸善石油化学は、基礎化学品事業の収益基盤を強化し、CO2排出量の削減を実現することを目指しています。また、機能化学品事業の強化を図ることで、事業規模の拡大にも繋げていく考えです。

今後の展望と期待される成果

エチレン製造装置の生産最適化により、丸善石油化学は、より効率的な生産体制を構築し、競争力を高めることが期待されています。これにより、国内外の市場においても強い競争力を発揮できるようになるでしょう。

また、環境への配慮を重視する中で、カーボンネットゼロの実現に向けた具体的な施策を講じることで、持続可能な社会の実現にも寄与することが期待されています。

まとめ

今回のエチレン生産最適化に関する検討開始は、コスモエネルギーホールディングス及び丸善石油化学にとって重要なステップとなります。以下に、今回の発表内容をまとめました。

項目 内容
発表日 2024年10月28日
対象装置 第3エチレン製造装置、第4エチレン製造装置
目的 競争力強化、CO2排出量削減
エチレン生産能力 第3装置525千t/年、第4装置768千t/年
Vision 2030 未来を変えるエネルギー、社会を支えるエネルギー、新たな価値を創造する

この取り組みを通じて、丸善石油化学は持続可能なエネルギーの実現に向けて、さらなる努力を続けていくことが期待されます。

参考リンク: