Visual BankがGENIACプロジェクトに採択、4月1日からAI開発支援開始
ベストカレンダー編集部
2025年3月31日 14:05
GENIACプロジェクト開始
開催日:4月1日

Visual Bank、経産省およびNEDOによる国内生成AIの開発力強化プロジェクト「GENIAC」に採択
Visual Bank株式会社は、経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」の調査実証企業に採択されたことを発表しました。このプロジェクトは、日本の漫画・アニメ・ゲームなどのIPコンテンツを活用したAIの開発を支援することを目的としています。
Visual Bankは、提案した「IP産業向けAI実用データエコシステムの構築と実証」の取り組みに対して、約15億円の助成を受けることが決定しました。これは、AI開発に必要な良質なデータの不足を解消し、データホルダーとのアクセスを促進するための重要なステップとなります。

生成AI開発の現状と課題
現在、生成AI開発の現場では、開発に必要なデータが不足しており、特にIP産業のデータにおいては、データホルダーとAI開発者の間に深い断絶が存在しています。このため、データの需給が滞っているのが現状です。
さらに、無断学習や無断出力が横行しており、権利侵害のリスクも高まっています。これにより、データホルダーは自らのデータをAI開発に提供することに対して慎重にならざるを得ません。Visual Bankは、このような課題を解決するために、2年間の調査実証事業を開始します。

調査実証事業の詳細
Visual Bankが開始する調査実証事業では、AI開発に活用可能なIP産業データセットの整備を行い、データの収集・管理・提供・拡充の拠点となるデータライブラリシステムを構築します。この取り組みにより、「IP×AI」のユースケースの創出を促進し、データホルダーの権利を守るとともに、日本独自の価値を持ったAI開発を加速することを目指しています。
具体的な実証テーマは以下の通りです:
- 実証テーマ❶:IP産業向けのファインチューニング及びその他開発用基礎データセットの整備
- 実証テーマ❷:IP産業に特化したデータライブラリシステムの構築とデータ利活用に係る社会基盤の整備
- 実証テーマ❸:データライブラリシステムの有効性を実証しつつ、模範となる生成ユースケースの創出

「GENIAC」の公募について
「GENIAC」の公募は、ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業の一環として、生成AI開発加速に向けたデータ・生成AIの利活用に関する調査を目的としています。経産省およびNEDOが実証調査企業を採択する形で進められています。
Visual Bankの採択事業により、日本のIPコンテンツを活用したAI開発が促進されることが期待されています。特に、漫画・アニメ・ゲーム等のIPデータに関するデータホルダーとの信頼関係を構築し、安心してデータを預けてもらえる環境を整えることが重要です。

各社のコメント
経済産業省 商務情報政策局 情報産業課の渡辺琢也様は、日本が抱える人口減少などの課題に対し、生産性を向上させるためにデジタル技術の活用が重要であると述べています。また、生成AIという技術が普及する中で、データを適切に収集・提供し、競争力のあるAIソリューションを開発することが鍵になるとしています。
Visual Bankの代表取締役CEO 永井真之は、「あらゆるデータの可能性を解き放つ」というミッションのもと、データホルダーとAI開発者の仲介者としての役割を果たすことを強調しました。今回の実証調査を通じて、日本発の「IP×AI」のユースケースを多数創出することを目指しています。
事業概要と今後の展望
本プロジェクトの公募事業名は「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」であり、実証準備開始日は2025年4月1日(予定)です。助成金の上限は15億円で、詳細はNEDOの公募ページにて確認できます。
この実証調査により、日本のIPコンテンツの強みや魅力を活かしたAI開発が進むことが期待されます。具体的な内容は以下の表にまとめられています。
項目 | 内容 |
---|---|
公募事業名 | ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業 |
応募事業名 | IP産業向けAI実用データエコシステムの構築と実証 |
実証準備開始日 | 2025年4月1日(予定) |
助成金額 | 約15億円 |
詳細リンク | NEDO公募ページ |
Visual Bankは、今後もデータホルダーの権利を守りつつ、IPコンテンツを活用したAI開発の促進に努めていく方針です。データ流通の促進を通じて、持続可能なAIエコシステムの構築を目指す取り組みが期待されています。
参考リンク: