2025年から始まるCO2変換技術実証プロジェクトで環境問題に挑む
協定締結の背景
2024年10月30日、積水化学工業株式会社は、ひたちなか市、東海村、ひたちなか・東海広域事務組合と共に、公益財団法人地球環境産業技術研究機構と進める「バイオものづくり技術によるCO2を原料とした高付加価値化学品の製品化」に関する協定を締結しました。この協定では、ひたちなか・東海クリーンセンターを実証先として利用することが決定されています。
地球温暖化や環境問題が深刻化する中、カーボンニュートラル社会の実現は重要な課題となっています。温室効果ガスの削減に向けたさまざまな取り組みが行われる中で、バイオものづくり技術を利用したカーボンリサイクルは、バイオマス資源やCO2を原料として化学品を生産する取り組みとして注目されています。
プロジェクトの目的と意義
本プロジェクトは、CO2を高効率でCOに変換する技術を開発し、カーボンリサイクルを推進することを目的としています。積水化学は、CO2をCOへ90%という高い転化率で変換する技術を開発しており、この技術を活用することで、環境問題の解決に貢献することを目指しています。
ひたちなか市と東海村は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、再生可能エネルギー導入や省エネルギーの推進、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進、環境教育の充実など、積極的な取り組みを行っています。これらの取り組みと連携し、クリーンセンターでの実証実験が行われることにより、地域の環境保護と持続可能な開発が促進されることが期待されています。
プロジェクトの具体的な内容
本プロジェクトでは、以下のような具体的なステップが予定されています。
- 2025年:ひたちなか・東海クリーンセンターの敷地内において、燃焼排ガスからCOに変換する前処理プロセスのプラント着工を予定。
- 2026年度以降:燃焼排ガスからCO2を濃縮し、ケミカルルーピング反応技術を活用してCOを製造。
- COから芳香族化合物を高効率に生産する技術を融合させ、生産プロセスの検討を行う。
- 2030年:年間33トンのCO2を利用した実証を開始する予定。
このプロジェクトにより、CO2を原料とした高付加価値化学品の製品化が進むことが期待されており、地域の環境問題解決にも寄与することが見込まれています。
今後の展望と地域への影響
ひたちなか・東海クリーンセンターでの実証実験は、地域の環境保護に対する意識を高めるだけでなく、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなります。また、プロジェクトを通じて得られる知見や技術は、他の地域や企業にも波及効果をもたらす可能性があります。
さらに、積水化学の技術開発は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な要素となり、地域経済の活性化にも寄与することが期待されます。新たな雇用の創出や技術者の育成など、地域にとっても大きなメリットがあるでしょう。
まとめ
今回の協定締結は、積水化学とひたちなか市、東海村、ひたちなか・東海広域事務組合が連携し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な取り組みをスタートさせるものです。具体的には、以下のような内容が含まれています。
項目 | 内容 |
---|---|
協定締結日 | 2024年10月30日 |
プロジェクト名 | バイオものづくり技術によるCO2を原料とした高付加価値化学品の製品化 |
実証先 | ひたちなか・東海クリーンセンター |
プロジェクト開始予定 | 2025年 |
年間CO2利用量 | 33トン(2030年予定) |
このように、協定の締結によって地域の環境問題解決に向けた取り組みが加速し、持続可能な社会の実現に向けた一歩が踏み出されました。今後の進展が期待されます。