桃谷順天館と慶應義塾大学が4月から香料の精神的影響を調査する共同研究を開始
ベストカレンダー編集部
2025年3月31日 13:14
香料影響調査開始
開催日:4月1日

慶應義塾大学との共同研究開始
2025年1月より、株式会社桃谷順天館は慶應義塾大学理工学部の満倉靖恵教授と共同で「香料と皮膚への使用感が精神的・認知機能に及ぼす影響調査」を開始します。この研究は、脳波測定を通じて香りが人間の精神や認知機能に与える影響を数値化し、化粧品の価値向上を目指すものです。4月から本格的に始まるこの研究は、美容と健康を追求する同社の新たな取り組みとして注目されています。

研究の背景と目的
桃谷順天館は「人と地球の美しい未来を創る For Beauty and Well-being」というパーパスを掲げています。この理念のもと、心身ともに満たされた状態で日々を過ごせるような商品やサービスを提供することを目指しています。近年、医薬品だけでは解決できない精神的な充足に関する研究開発が重要視されており、2023年2月には「ウェルネスケアラボ」を立ち上げました。このラボでは、口唇裂の手術痕を目立たなくさせる薬用クリームを産学連携で開発するなど、化粧品の可能性を広げています。
心と身体、肌の繋がりは、ビューティートレンドの一つとして注目されています。香りを伴う化粧品は、肌を整えるだけでなく、心の安らぎをもたらすことが多くの人に認識されています。桃谷順天館では、調香師によるこだわりの香りを用いて商品を開発しており、スキンケアが心や身体に与える影響を数値的に解明することを目指しています。

研究の詳細と方法
本研究では、桃谷順天館中央研究所の調香師が処方した香調が身体に与える好影響について、満倉靖恵教授と共に調査を行います。具体的には、香りによる「心地よさ」を数値化し、人が特定の香りを嗅いだ際の脳波を分析することで、心の変化や「継続して使いたい」と感じる心理的効果を評価します。この研究を通じて、香りを伴う化粧品が単なる肌のケアにとどまらず、心や身体に与える影響を科学的に証明することを目指しています。
- 脳波の測定: 香りを嗅いだときの脳波を分析し、心の変化を捉える。
- 心理的効果の評価: 使用者が香りを感じた際の心理的な反応を評価する。
- 心地よさの数値化: 香りによる心地よさを定量的に評価し、化粧品の効果を明らかにする。
満倉靖恵教授のプロフィール
慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科の満倉靖恵教授は、博士(工学)および博士(医学)を取得し、リアルタイム感情認識や生体信号処理、脳波解析、画像処理、印象解析など幅広い分野で研究を行っています。特に、未病を目的としたバイオマーカやニューロマーケティング、医工連携に積極的に取り組んでいます。
満倉教授は、「心に優しいスキンケア」を目指し、桃谷順天館との共同研究に期待を寄せています。彼女は、スキンシップによるオキシトシンの上昇を例に挙げ、優しさが自己へのケアにも重要であることを強調しています。スキンケアに香りを加えることで、ストレスをリセットし、より良い毎日を送るための研究を進めていく予定です。
桃谷順天館の企業情報
桃谷順天館は、1885年に創業され、139年にわたり美と健康を追求してきた化粧品メーカーです。創業者が妻のために作った「美顔水」をきっかけに化粧品製造業を開始し、現在では「人と地球の美しい未来を創る」を企業のパーパスに掲げ、4社からなるグループ経営を行っています。
企業は、これまで培った技術力と品質力をさらに進化させ、国内外で包括的に「美」を提供する企業グループを目指しています。桃谷順天館の取り組みは、美容業界において重要な役割を果たしており、今後の研究成果に期待が寄せられています。
項目 | 内容 |
---|---|
研究開始日 | 2025年1月 |
共同研究者 | 満倉靖恵教授(慶應義塾大学理工学部) |
研究目的 | 香料が精神的・認知機能に与える影響を数値化し、化粧品の価値向上を目指す。 |
研究手法 | 脳波測定、心理的効果の評価、心地よさの数値化。 |
企業情報 | 桃谷順天館、創業1885年、化粧品メーカー。 |
本研究は、化粧品がもたらす効果の拡大を目指し、使用者のウェルビーイングに貢献する商品やサービスの開発に寄与することが期待されています。香りがもたらす心地よさや精神的な影響を理解することで、より良いスキンケア製品の開発が進むでしょう。
参考リンク: