(旧)観光の日 (記念日 8月1日)
皆さんは「観光の日」という言葉を聞いたことがありますか?かつては夏の風物詩として、多くの人々がこの日を楽しみにしていました。しかし、時代の流れとともに、この記念日は静かに歴史の彼方へと消えていきました。
「観光の日」の歴史とその役割
観光週間のスタートとして
1965年(昭和40年)、日本は観光業の振興を目的に「観光週間」を設けました。その初日が「観光の日」です。観光業は地域経済にとって非常に重要な役割を果たしており、この期間はその重要性を国民に啓蒙する機会とされていました。
私たちの生活に息づく文化や自然の魅力を再発見し、観光を通じて国内外の人々との交流を深めることができる素晴らしい機会だったのです。
また、地域の観光資源を保全し、観光地を美化する運動もこの時期に行われ、観光地としての魅力を高める試みが各地で展開されていました。
「国際観光年」と「観光の日」
1967年(昭和42年)は、国連が「国際観光年」と定めた年であり、「観光は平和へのパスポート」というスローガンのもと、世界中で観光の振興が図られました。日本でもこの流れを受け、「観光週間」と「観光の日」が設けられたのです。
この時期には、観光を通じて国際理解を深め、平和への願いを込めたイベントやキャンペーンが数多く行われていました。
しかし、時代は移り変わり、2009年(平成21年)に「観光週間」自体が廃止されると、「観光の日」もその役割を終えることとなりました。
現代における観光の意義
観光の日の消失と観光業の変化
「観光の日」がなくなっても、観光業の重要性は変わりません。観光は地域経済を活性化させ、文化交流を促進する大きな力を持っています。
現代では、観光がもたらす経済効果に加えて、サステナビリティや地域の伝統文化の継承といった新たな価値観が重視されてきています。
観光地が自然や文化を大切にしながら、持続可能な発展を目指すことは、私たちにとっても大切なことですよね。
世界観光の日との関連性
「観光の日」がなくなった今でも、世界観光機関が制定した9月27日の「世界観光の日(World Tourism Day)」がその役割を引き継いでいます。
この日は、観光の持つ社会的、文化的、政治的、経済的価値を認識し、観光の持続可能な発展を促進するために設けられました。
世界中の人々が観光の大切さを認識し、地球規模での平和と繁栄を目指す日となっています。
観光業の未来と私たちの役割
観光業の新たな挑戦
観光業は常に変化し、新しい挑戦を続けています。デジタル化の波に乗り、仮想空間での観光体験や地域独自の体験プログラムの提供など、多様な取り組みが進められています。
これからも観光業は、私たちの生活に新たな色を添え、地域社会に活力をもたらし続けることでしょう。
私たち一人ひとりが観光に対する意識を持ち、地域の魅力を再発見し、それを大切にする心が、観光業を支える大きな力になると私は信じています。
かつての「観光の日」が持っていた意義は、形を変えても今も私たちの中に息づいているのです。